薬学上の分類と行政上の分類

医薬品には様々な分類方法があります。

薬学上の分類


①成分の基原・本質

化学薬品、生薬、油脂・精油類、生物学的製剤、血液製剤、抗生物質、放射性医薬品など

②使用目的

予防薬、治療薬、診断薬(検査薬)、治験薬、公衆衛生用薬

③用法

内用薬、外用薬、注射薬

④剤形・形状

原末、散剤、顆粒剤、細粒、錠剤、カプセル剤、丸剤、液剤、軟膏剤、パップ剤、坐剤、噴霧剤、注射剤など

⑤組成

単味剤、配合剤

⑥その他

洋薬、民間薬と漢方薬


行政上の分類


①治験薬と承認医薬品

②薬局医薬品と要指導医薬品と一般用医薬品

③医療用医薬品(薬価基準収載医薬品・薬価基準非収載医薬品)と薬局製造販売医薬品


要指導医薬品


要指導医薬品とは以下の条件をみたすものです。

・医薬品のうち、その効能および効果において人体に対する作用が著しくないもの

・薬剤師その他医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの

・その適正な使用のために薬剤師の対面による情報の提供および薬学的知見に基づく指導が行われることが必要なもの

例:
再審査を終えていないダイレクトOTCスイッチ直後品目
毒薬(医療用医薬品以外)
劇薬(医療用医薬品以外)


一般用医薬品


一般用医薬品とは、医薬品のうち、その効能および効果において人体に対する作用が著しくないものであって、薬剤師その他医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されるものです。

有効性とともに安全性を重視して成分や分量が決められています。


要指導医薬品・一般用医薬品の共通点


疾病や外傷の際の初期に、患者が要指導医薬品・一般用医薬品を用いて自ら治療を行うセルフメディケーションにより症状の悪化を防ぐ効果が期待されています。

薬局・薬店(店舗販売業)で買える医薬品で大衆薬とも呼ばれています。

また、薬局でカウンター越しに買うこともあることから、その頭文字をとってOTC薬※ともいわれます。

※ OTC薬:over the counter drug

「スイッチOTC」というものがあります。

これは、すでに承認販売されている医療用医薬品のうち、比較的副作用が少なく安全性が高い成分を要指導医薬品・一般用医薬品として転用したもののことです。


医療用医薬品


医療用医薬品とは、医師もしくは歯科医師によって使用され、またはこれらの者の処方箋、もしくは指示によって使用されることを目的として供給される医薬品のことです。

ほとんどが薬価基準に収載されています。

一部、薬価基準に収載されないものがあります。
例)体外診断薬