国民・患者からの見た医薬品産業
服用している薬を創っている企業の顔が見えにくい産業です。
購買を誘引する手段がきわめて限定的です。
薬に感謝することはあっても、医薬品産業に感謝することはほとんどありません。
創薬と市場から見た医薬品産業
省資源・知識集約型産業です。
医療関係者と患者の理解・協力なしでは成り立たない、自己完結できない産業です。
医療用医薬品が医薬品市場の9割を占めています。
日本は新薬を創出できる数少ない国の1つであり、高い国際競争力をもっています。
新薬の創出には莫大な時間とコストがかかりますが、成功確率は低いです。
適正な情報活動なくしては存続し得ない産業です。
国内・国外企業を問わず、医薬品の承認取得まで全く同じ法規制がかかっています。
医薬品の場合は国内の患者に必要な医薬品をすべて国産で賄うことは不可能です。
医薬品は、病気とその治療薬という関係で選択の幅がきわめて限られています。
どんなに優れた画期的な医薬品であっても、すべての疾患の患者に有効なわけではありません。
医療保険制度から見た医薬品産業
公的保険制度の中に組み込まれ、薬価基準制度が産業の有り様を大きく支配しています。
国の規制を守ることで存続できている産業といえます。
新薬の研究開発
- 研究開発期間が長い(9~17年)
- 研究開発費:800~1,300億円(約60%が臨床試験費)
- 成功確率が低い(0.004%)
新薬を創出するという仕事は、きわめて時間とコストがかかり、成功確率の低い事業です。