薬価基準制度の概要

薬価基準の意義

薬価基準は、保険医療に使用できる医薬品の「品目」と「価格」を厚生労働大臣が定めたものです。


保険医療で使用した薬剤の費用の請求額を定めた「価格表」、保険医療で使用できる医薬品の「品目表」としての性格を有します。


すなわち、病院で保険証を見せて診察される場合に使用できる薬は限られていて、その値段も国が決めています。



収載基準

薬価基準には、保険医療による診療または調剤に必要なすべての医薬品が収載されています。


収載されるのは原則として医療医薬品です。

体外診断薬や要指導医薬品・一般用医薬品(OTC薬)などは収載されません。



収載方式

収載方式には以下の2つが採用されています。

  • 銘柄別収載方式
  • 統一名収載方式


銘柄別収載方式
医薬品の銘柄(販売名、商品名)ごとに収載する方式です。

同一の有効成分、剤形、規格であっても、銘柄によって価格が異なります。

この方式で収載されるのは、新薬として製造販売承認を得た医療用医薬品や、初めて薬価収載された後発医薬品などです。


統一名収載方式
銘柄別収載方式によらないものは、成分、剤形および規格によって単一の名称を付して収載されています。

単一の名前、つまり統一名で収載されているので統一名収載方式といいます。

薬事法(医薬品医療機器等法)の承認を取得している医薬品であれば、どの製薬企業のものでも保険使用が可能で、銘柄に関係なく同一の薬価となります。

売り上げの少ない後発医薬品や日本薬局方に収載されている医薬品の多くはこの方式で収載されます。



収載時期

①新医薬品:年4回
 (原則として承認後60日以内、遅くとも90日以内)

②報告品目、新キット製品:年2回

③後発医薬品:年2回



参考:
薬価基準収載のスケジュール(YG研究会)