製造物責任法(PL法)の概要

PL法の目的

製造物責任の意義

①製造物に「欠陥

②「損害」の発生

③「欠陥」と「損害」の因果関係成立

①~③を全て満たした場合

損害賠償

損害賠償を請求する者は、製造業者等に過失があったことを立証する必要ありません。
欠陥と損害の因果関係を立証することで損害賠償を請求できます。


目的

製造物の欠陥により、人の生命、身体または財産に関わる被害が生じた場合における製造業者等の損害賠償の責任について定めることにより、被害者の保護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与する



用語の定義

【製造物】

製造または加工された動産=製品

例)医薬品

薬局製造販売医薬品は製造物に該当します。
薬局製造販売医薬品は薬局で製造された製造物です。

以下は、製造物には該当しません。

  • 医療行為に伴う医薬品の混合
  • 調剤による薬剤


【製造業者等】
  1. 製造物を業として製造、加工または輸入した者
  2. 製造業者として自らその氏名等を表示した者又はその製造業者と誤認させるような表示をした者
  3. 流通形態その他の事情から見て、実質的な製造業者と認めることができる表示などがある場合
医薬品の製造をすべて他社に委託している製造販売業者も、損害賠償責任を問われます。

【過失】

人の行為のミスのこと



【欠陥】

製造物が通常有すべき安全性を欠いていること



欠陥の類型

設計上の欠陥

製造物の設計そのものに内在する欠陥


製造上の欠陥
製造物が設計・仕様どおりに製造されなかったために安全性を欠いたといった場合の欠陥(異物混入など)


指示・警告上(表示上)の欠陥
使用者に対する適切な指示・警告を伴っていないために安全性を欠いたといった場合の欠陥

例)医薬品の添付文書の記載不備




PL法の規定にない事項

民法の適用
製造物の欠陥による製造業者等の損害賠償責任については、PL法の規定によるほかは民法の規定による

過失相殺
被害者側の過失も考慮して損害賠償額を減額する

複数の責任主体
損害に対するそれぞれの寄与度に応じて、負担を決定する

免責特約
公序良俗に反するような特約によって、製造物責任を免れんとする契約を結んでいてもその特約は無効

金銭賠償
損害賠償の方法は、原則、金銭賠償