医療用医薬品添付文書の記載項目および記載順序


添付文書の記載要領


添付文書は正確な情報を提供するための記載要領が制定されている。
体外診断薬及び生物学的製剤(血漿分画製剤を除く)には適用しない。

①作成又は改訂年月
②日本標準商品分類番号等:
日本標準商品分類番号
承認番号
薬価基準収載年月
販売開始年月
再審査結果公表年月(最新の期日)
再評価結果公表年月(最新の期日)
効能又は効果追加承認年月(最新の期日)
貯法等
③薬効分類名
④規制区分
⑤名称
⑥警告
⑦禁忌
⑧組成・性状
⑨効能又は効果:効能又は効果に関連する使用上の注意
⑩用法及び用量:用法及び用量に関連する使用上の注意
⑪使用上の注意
⑫薬物動態
⑬臨床成績
⑭薬効薬理
⑮有効成分に関する理化学的知見
⑯取扱い上の注意
⑰承認条件
⑱包装
⑲主要文献及び文献請求先
:投薬期間制限医薬品に関する情報
⑳製造販売業者の氏名又は名称及び住所


「添付文書」および「使用上の注意」の記載要領の全面改正に伴い通達された3つの行政通知の主旨

  1. 医療関係者が理解しやすく、使用しやすい添付文書に改め、科学的で正確な情報提供をめざすこと
  2. 添付文書に記載すべき内容は、原則として承認された範囲で用いられる場合に必要とされる事項
  3. 記載順序は、原則として「記載項目及び記載順序」に掲げるものに従う。削除または変更は、十分な根拠に基づいて行う。



【記載形式】
重要項目は添付文書の前の方に配列
「警告」「禁忌」は添付文書本文の冒頭に記載
「警告」のある添付文書は右肩に赤色の帯をカギ型に印刷
「警告」は赤枠赤字で記載
「禁忌」は赤枠で記載
「効能又は効果」、「用法及び用量」に続けて関連する使用上の注意を併記
原則として、記載内容が2項目以上にわたる重複記載を避ける
大きさは原則としてA4判4頁以内とする



副作用の頻度は可能な限り適切な頻度区分を設けて数値化



「副作用」「相互作用」などは可能な限り表形式とするなど見やすく工夫



「薬効薬理」「薬物動態」などの項目の充実により、科学的で正確な情報を提供
「承認条件」の項目を新たに設置
薬価収載などの年月を履歴として記載


「生物由来製品の添付文書の記載要領」のポイント


【記載形式】
記載項目および記載順序は、通常の添付文書と同じだが、一部記載すべき内容が異なっている

生物由来製品 特定生物由来製品
規制区分 「生物由来製品」 「特定生物由来製品」
名称 遺伝子組換え製剤は、一般的名称の直後に「(遺伝子組換え)」
本文冒頭 感染症伝播のリスクに関する 注意 等
組成・性状 ヒトその他の生物に由来する 成分の名称、ヒトその他の生 物の部位等の名称、原材料 ヒトその他の生物に由来する 成分の名称、ヒトその他の生 物の部位等の名称、原材料で ある血液が採取された国名お よび採血方法(献血/非献血)
使用上の注意 重要な基本的注意: 適正使用に必要な事項に関し て、使用対象者に説明する必 要性がある
取扱い上の注意 医療関係者が、使用対象者氏 名、住所などを記録、保存する 必要性がある
その他 適正に使用するために必要な事項

生物由来製品

ヒトその他の生物(植物を除く)を原材料として製造される医薬品、医療機器などのうち、保健衛生上特別な注意を要するもの
例)ワクチン、抗毒素、遺伝子組換えタンパク質、ヘパリンなど
原材料の品質規格、とくに外来性感染因子に関する安全性確保が求められる。

使用の記録保管期間:
10年(通常)
30年(人血液成分使用製品)

特定生物由来製品

生物由来製品のうち、保健衡生上の危害の発生又は拡大を防止するための措置を講ずることが必要なもの。
厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定。
例)輸血用血液製剤、血液凝固因子、人血清アルブミン、人免疫グロブリンなどの血液製剤・人胎盤抽出物など
使用する際は、製品のリスクとベネフィットについて患者(またはその家族)に説明を行い、理解を得る必要がある。

使用の記録保管期間 :
20年
記録内容 :
製品名、製造番号、患者氏名、住所、投与日


生物由来製品・特定生物由来製品の概念図

生物由来製品および特定生物由来製品は、添付文書に記載すべき内容が一部異なっている。

http://www.mhlw.go.jp/qa/iyaku/yakujihou/point1.html



ジェネリック医薬品に係る添付文書の記載にあたっての留意点

先発医薬品の添付文書の記載を引用する場合の引用範囲について

  • 承認事項に関連する使用上の注意において、適正使用上特定の情報を参照することとされているものに限定する
  • 必ず事前に先発医薬品の製造販売業者に連絡し、引用する部分とその理由を明示する
  • 引用する資料名は先発医薬品添付文書名とし、当該引用箇所先発医薬品に係る引用であることがわかるように記載する