医薬品の社会への貢献


医薬品の医療への貢献

治療の満足度と薬剤の貢献度は、おおむね相関関係にあります。

治療において薬剤は大きな存在価値をもっています。

例えば、糖尿病は治療の満足度が高く、その治療に対する薬剤の貢献度もきわめて高いといえます。

一方、血管性認知症、アルツハイマー病、膵癌、糖尿病に伴うさまざまな合併症などは、治療の満足度は低く、薬剤の貢献度も低いです。


医薬品の経済への貢献

  • 産業活動への労働力供給に寄与
  • 薬物療法による低コストでの治療や、ワクチン接種による治療コスト削減など、コスト低減効果は計り知れないものがある。
例:胃潰瘍治療

ヒスタミンH2受容体拮抗薬であるシメチジンが発売された1982年以降、それまで胃潰瘍治療の主役であった外科的手術療法は激減しました。

今では大量出血例や穿孔などの重篤な合併症を認めた症例にしか手術は行われなくなりました。

その後、プロトンポンプ・インヒビター(PPI)が上市されました。

そして胃潰瘍の根本治療が可能になりました。

ヒスタミンH2受容体拮抗薬による対症療法に比べPPIを用いた根本治療(ヘリコバクター・ピロリ除菌療法)の費用対効果が優れていることが確認されています。


医薬品に対する社会からの期待

患者および患者の家族の医薬品に期待する点

  • しっかり効く
  • 副作用が少ない
  • 精神的苦痛が少ない
  • 経済的負担が小さい

一方で、医薬品は人体にとって異物であり、摂取しないですめばそれに越したことはないという点を認識しておく必要があります。