療養の給付

療養の給付とは、保険診療や保険調剤として医療を受ける現物給付のことです。

健康保険の被保険者証を保険医療機関などに提示して診療や調剤を受け、所定の割合で一部負担金を支払うことで受けられます。

診療報酬点数表、歯科診療報酬点数表、調剤報酬点数表、点数表の中の特掲診療料などに規定された範囲内で行われます。



療養の給付から除かれるもの

  • 業務上災害
  • 通勤災害
  • 介護保険の対象となる医療
  • 交通事故
  • 特殊療法
  • 新しい療法
  • 保険診療と自由診療の混合
  • 交通費
  • 自己診療
  • 自己(自家)調剤
  • インプラント
  • 歯列矯正
  • レーシック手術
  • 予防接種
  • 検診・人間ドック
  • 正常分娩
  • 人工妊娠中絶
  • 美容整形
  • 保険給付の制限の対象

入院時食事療養費

被保険者(被扶養者)が疾病や負傷をして保険医療機関に入院した場合、療養の給付と併せて受けた食材料費や調理費などの食事療養について支給されます。


支給額は、厚生労働大臣が定める算出基準による食事療養費から標準負担額を差し引いた額となり、被保険者(被扶養者)はこの標準負担額を自己負担分として支払います。


被保険者が特定長期入院被保険者となった場合、療養の給付と併せて受けた生活療養費(食材料費や調理費、光熱費などの居住費)について支給されます。


支給額は、厚生労働大臣が定める算出基準による生活療養費から標準負担額を差し引いた額となります。



保険外併用療養費

医療技術の進歩や患者のニーズの多様化に対応するため、保険適用外の部分と保険適用の部分が混在していても、療養の給付との併用を認める制度です。

評価療養選定療養があります。


保険医療機関は、保険外併用療養費の内容と費用を院内に掲示します。

評価療養または選定療養の中で保険の対象となる部分については、通常の保険診療や保険調剤と同様、被保険者は一部負担金を支払い、保険の対象とならない部分については全額自己負担となります。

保険の対象となった部分の一部負担金は、高額療養費制度が適用となり、被扶養者については家族療養費として給付が行われます。



療養費

療養の給付、入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費の支給を受けることが困難な時や保険者がやむを得ないものと認めたときは、保険を使わずにいったん全額を自己負担とし、後から保険適用分を療養費として払い戻しを受けます。



高額療養費

療養の給付やほかの医療保険給付における一部負担金額が著しく高額となるときは、被保険者の年齢や所得により区分された一定額超過分が高額療養費として支給されます。


入院時食事療養費、入院時生活療養費の自己負担額などは対象となりません


申請は保険者に行います。

入院に係る高額療養費については、1医療機関ごとに自己負担限度額までの自己負担額を支払うものとし、原則として現物給付化されています。