医療技術の進歩


工業化研究とは

GMPに則り実験室レベルで合成・開発された薬物(治験)を、安全で高品質な医薬品として、実際の生産設備レベルにおいても安全かつ安定的に生産(原薬、 製剤・包装)するための研究

遺伝子の基礎

ゲノム(Genome)

遺伝子(Gene)と染色体(Chromosome)からつくられた遺伝情報の総称
染色体中のすべての遺伝情報を示したもの

染色体

ヒトの細胞の核内には23対46本の染色体がある
細胞の中の「核」の中には遺伝子を載せた24種類の「染色体」がある

  • 体細胞
  • 男 : 22対の常染色体 + XおよびY性染色体 合計46本
  • 女 : 22対の常染色体 + 2本のX性染色体 合計46本
  • 卵子……22本の常染色体 + X性染色体
  • 精子……22本の常染色体 + XまたはY性染色体

https://www.kango-roo.com/sn/k/view/1734

DNA

染色体に存在する
生物の形態、機能をつかさどるタンパク質のアミノ酸配列情報が組み込まれている

遺伝子

DNAのアミノ酸配列の中で意味をもつ部分

ヒトゲノム

人間が一生の間にどのようなタンパク質を合成するかを指定する設計図


遺伝子情報に基づく個別化医療(テーラーメード医療)

遺伝子診断技術の進歩により、病気の原因の診断だけでなく、将来の罹患リスクの予想が可能になると考えられている。
患者個々で薬物の反応性が異なることが広く知られており、薬物の感受性および体内動態の個人差の原因となる遺伝情報を評価することが可能になりつつある。

対象となる患者

遺伝情報から薬の効き目がわかっている人

投与方法

遺伝情報から最適な投与方法・量を確定

効能・副作用

副作用の発生も予測

薬剤費

必要な患者のみ投与するため抑制可能

研究開発

副作用が原因で開発をやめた薬を「仕立て直す」ことも可能
開発費が削減できる


ゲノム創薬と分子標的薬

ゲノム創薬

解析されたヒトゲノム情報をもとに得られた知識を活用し、病気や病態に効果を示す新しい医薬品を論理的に研究開発する創薬。
従来の創薬は薬の創製まで約20年かかっていたが、ゲノム創薬により期間が短縮される。

分子標的薬

病気の発症や悪化の原因となる変異遺伝子や変異タンパク質を特定し、それらに直接作用するように理論的につくられた薬剤。

例えばガン治療の分野では

  • がん細胞の特定の分子のみに作用する。
  • 殺細胞効果を示す抗がん薬とは異なり、がんの悪性度の1つである転移、増殖、浸潤、血管新生にターゲットを絞ったものである。


遺伝子治療と再生医療

遺伝子治療

体外から正常な遺伝子を組み込んだベクター(運搬体)を用いて患者の体内へ導入し、病気の原因となる遺伝子の働きを抑制あるいは補填する治療方法。

再生医療

障害を受けた組織や臓器を正常な状態に回復させることにより、病気の治癒を目指した医療

ES細胞(胚性幹細胞)
目的の組織や器官に成長できる細胞受精卵からつくる
iPS細胞
体細胞へ数種類の遺伝子を導入することにより、多くの細胞に分化できる細胞