医療施設の整備

医療施設の現状(病院・診療所)


医療施設の割合
  • 日本の病院のうち、大規模病院は公的病院が多い
  • 個人および民間医療法人が全病院の70.6%を占めており、中小病院が多い
  • 一般診療所では個人診療所の占める割合が圧倒的に大きい

平成24年医療施設(動態)調査・病院報告の概況(厚生労働省)
クリニカルパスの導入

医療計画制度を導入以降、病床数の上昇傾向には歯止めがかかり、地域(医療)連携クリニカルパスの導入などで高齢者の在院日数の短縮が図られています。


クリニカルパスとは
工業界において、生産性を上げるため各工程の順番や時間をフローで示し、作業開始から終了までの時間的効率性を追求した工程表のことをクリティカルパスと呼んでいました。このクリティカルパスを医療に応用したものをクリニカルパスといいます。

医療ケアに関わる全職種の代表がチームを作りパス表を作成することにより、お互いの役割が明確になります。

そしてそのパス表を使用してチームが協力し治療やケアを行うことで、医療が標準化されるとともにチーム医療が推進され、質の高い医療を提供することができます。



医療関係者を取り巻く現状と問題点

現状
  • 日本の医療施設は病床当たりの医療従事者数が少ない
  • 拠点となる急性期病院の外来に患者が集中して病院勤務医の労働環境が悪化
  • 産科などの訴訟リスクの高まりによる医療事故をめぐる訴訟の増加などが原因で、医師数、分娩施設の減少を招いている
  • 全国的な地域間、同じ都道府県の中での医療機関や診療科の偏在

対応
短期的
  • 外来診療における診療所と病院の役割分担
  • 都道府県を中心とした医師派遣機能の構築
中長期的
  • 医療従事者間の専門性を生かした協働・連携によるチーム医療の推進による各職種の積極的な活用が厚生労働省から都道府県に発令されています。

「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」厚生労働省医政局長通知(医政発 0430 第1号)
http://www.mhlw.go.jp/topics/2013/02/dl/tp0215-01-09d.pdf




医療施設の現状(薬局)

第五次医療法の改正により、調剤薬局が医療提供施設の1つとされました。


薬局機能
  • 処方箋による調剤
  • 安全なセルフメディケーションのためのリスクマネジメント
  • 薬剤師によるトリアージの提供 など

期待される薬局機能
薬局の情報管理・提供体制の整備が求められています。

高齢化が進む中、居宅療養となるケースの増加が予測されます。

処方箋医薬品、一般用医薬品などの適正使用を同時にマネジメントできる存在としての役割が薬局に期待されています。


薬局の求められる機能とあるべき姿(薬剤師が担うチーム医療と地域医療の調査とアウトカムの評価研究)
http://www.jsphcs.jp/cont/14/0107-1.pdf