医薬品の安全対策の歴史

薬害と安全対策

医薬品が関係した過去の主な健康被害について紹介します。



ペニシリンショック

原因薬剤
ペニシリン
副作用
アナフィラキシー・ショック
行政措置

1956年(昭和31年)
ペニシリン製剤の「使用上の注意」に、使用前に既往歴の問診や応急処置の準備を行う旨の記載が義務づけられました。
皮内反応検査は、その有用性について日本化学療法学会からの指摘を受けて、2004年(平成16年)に推奨中止されました。


日本化学療法学会
http://www.chemotherapy.or.jp/guideline/ira_anaphylaxis.html



サリドマイド事件

原因薬剤
サリドマイド
副作用
催奇形性(四肢奇形)
行政措置

1963年(昭和38年)より新薬申請時に動物での催奇形性試験の実施が義務づけられました。



スモン事件

原因薬剤
キノホルム(整腸薬)
副作用
スモン(神経炎症状、下半身麻痺や眼障害)
行政措置

1979年(昭和54年)
医薬品副作用被害救済基金の設立されました。

有効性・安全性の確保を図るための薬事法改正が行われました。



ソリブジン事件

原因薬剤
ソリブジンとフルオロウラシル系抗がん薬の相互作用
副作用
無顆粒球症などの重篤な血液障害
行政措置

1994年(平成6年)
それまで30日報告だった未知・重篤副作用の報告期限が15日に短縮されました。

1996年(平成8年)
添付文書の「警告」「禁忌」など特に注意喚起の必要がある事項を本文冒頭に記載するなどの改善が図られました。



血液製剤のウイルス汚染

原因薬剤
  1. 非加熱血液製剤(血液凝固因子製剤)
  2. 輸血
  3. 血漿分画製剤(フィブリノゲン製剤)

副作用

エイズや肝炎
  1. HIVによるエイズ
  2. B型肝炎
  3. C型肝炎
行政措置

1996年(平成8年)薬事法改正により、1997年(平成9年)から副作用報告に加えて感染症症例報告が義務づけられました。

エイズ事件や狂牛病事件を教訓にして感染症定期報告制度が実施されました。



狂牛病

原因薬剤
ウシ由来物を用いた医薬品やヒト乾燥硬膜移植
副作用
クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)
行政措置

2002年(平成14年)薬事法改正、2003年より施行
医薬品および医療機器について、生物由来製品に関する規制、感染症定期報告などの安全確保措置がなされました。

2004年(平成16年)
生物由来製品感染等被害救済制度創設



その他の薬害

原因薬剤
クロロキン
副作用
視力障害(網膜症など)

クロロキン薬害事件とヒドロキシクロロキン(YG研究会)
http://yakuza-14.blogspot.jp/2015/06/blog-post_11.html



原因薬剤
クロラムフェニコール
副作用
再生不良性貧血

原因薬剤
MMRワクチン
副作用
無菌性髄膜炎