副作用症例報告の収集
MRは、
①医師から自社製品に関する副作用報告を受けたら、
②その内容を連絡票に記載して、本社の安全管理統括部門に第一報報告を行います。
連絡票の記載事項
- 記入年月日
- 施設名
- 医師名等施設情報
- 対象医薬品名
- 患者イニシャル(患者識別番号)
- 性別・年齢
- 原疾患
- 使用理由
- 合併症・既往歴・家族歴
- 副作用名
- 発現日
- 重篤性
- 転帰
- 因果関係
- 臨床経過
連絡票の記入にあたっての留意点
- 各項目間に矛盾が生じないように細心の注意を払って記載します。
- 「記入年月日」は、MRが報告医師から副作用等の発生を聴取した日を記載します。
- 患者、医薬品名や副作用名が特定された日が情報入手日となり、そこから副作用報告期限の時計がスタートします。
- 副作用名は報告医師の述べたものを記載し、重篤性、因果関係、転帰などは連絡票に記載されている区分に従い、報告医師の判断を記載します。
副作用症例報告の収集
③安全管理統括部門では、MRの第一報報告に基づき、自社製品に関する副作用が未知あるいは重篤な副作用であれば、MRに詳細調査を指示します。
④MRは報告医師に詳細調査を依頼します。
⑤医師から詳細調査票を受領します
⑥安全管理統括部門に送付します
⑦副作用症例の評価を行います
⑧医薬品医療機器等法で報告を求められているものについて、その期限内に機構に電子報告します。
医師が記載する副作用詳細調査票をMRが入手した際の留意点
・MRが記載した連絡票と詳細連絡票の間に矛盾がないか点検し、記載内容が連絡票から変更されている場合には、その記載内容を報告医師に確認します。
・臨床検査値異常については、当該薬剤の投与前後で関連する臨床検査値の変動が詳細調査票に記載されているか確認します。
・重篤な副作用については、その指標となる所見が記録されているか確認します。
・通常の副作用であれば1日単位で経過を追うが、アナフィラキシー・ショックの場合には、秒・分単位で経過が記録されているか確認します。
・1人の患者に複数の副作用が発現した場合には、それぞれの副作用ごとに重篤性、転帰や因果関係が記載されているか確認します。
再調査の依頼
連絡票の内容について安全管理統括部門で点検した結果、記載漏れ等の不備があれば、MRに再調査を指示します。
副作用症例の評価
【重篤性】医薬品医療機器等法施行規則第253条に基づき、以下の場合には副作用・感染症を重篤と判断します。
- 死亡
- 障害
- 死亡または障害につながるおそれのある症例
- 治療のために病院または診療所への入院または入院期間の延長が必要とされる症例
- 1~4までに掲げる症例に準じて重篤である症例
- 後世代における先天性の疾病または異常
【予測性】
使用上の注意から予測できない副作用を未知と判断
【因果関係】
医薬品との関連が「明らかに否定できる」以外のすべての有害事象が報告の対象であり、因果関係が不明なものも報告の対象となります。